(株)HALTON : ヴィンボック換気天井システム
◎製品概要
ヴィンボック換気天井システムは、給排気の乱流を起こすことなく置換空調(冷たい空気を周りから落とし、温かい空気を押し上げる)を利用して最適な温湿度環境を実現且つ、給排気容量を30%以上削減(一般的な給排気比較)することができる厨房給排気システムです
天井全体をグリスフィルター・給気ユニット・天井パネル・照明機器等オールインワンで構成するため、一般的にみられる箱型排気フードを下ろすことないことから見通しのよい厨房環境を実現できることからホテル・レストランをはじめとする魅せるオープンキッチンにも最適です
また、病院・ケータリングキッチン・セントラルキッチン等の大規模厨房ではより省エネ効果が大きくできることから、多く採用されています

◎換気天井システムの優位性
従来フード方式
換気天井システム
気流イメージ

温度実測値


比較ポイント
○風量・風速共に大きい
○厨房内に熱気と冷気が混ざり合う
○風速が速く、環境的に好ましくない
○騒音値が大きい
○空調に多量のエネルギーを使用する
○置換空調で風量を20%削減
○温度成層ができ、調理スタッフ立ち位置に冷気が届く
○風を感じない設計
○騒音値が小さい
○空調エネルギーを60%削減
◎製品特徴・製品導入により実現できること

快適環境の実現
フレキシブルな対応
○作業に最適な温湿度環境を実現
○最適な風量設計による静かな排気音
○置換空調方式の採用により、
調理排気の再循環を防ぎ、厨房内の空気質を向上
○凹凸が少なく、高い採光性を確保
○フードレスを実現し、広々とした厨房を演出
○階高が低い厨房にも対応可能な超薄型設計
○色や形状等、インテリアに合わせてフレキシブルに対応
○調理機器からの放熱量をベースとした
独自の換気計算方式を採用(ドイツVDI2052による)
○全ての厨房レイアウトにフレキシフルに対応
(フルオーダーメイド)
○HACCP認証に基づいた、
高水準の衛生管理への取り組みが可能
参考動画はこちら
◎換気天井システムの機能性・拡張性
○表面が滑らかで凹凸の少ない形状がメンテナンスの
手間とコストを削減
○高効率FCグリスフィルター(日本厨房工業会認定)
で調理排気に含まれる油脂を除去
○照明や給気ユニット等、業務用キッチンに求められる
機能を統合した高性能システム
○将来的な厨房レイアウトの変更にも柔軟に対応
○ハルトン認定施工会社による責任施工

キャプチャージェット™3
キャプチャージェット™3は排気の捕集と拡散を同時にコントロールし、快適で効率のよい換気を実現します
※オープンキッチンや多量の蒸気が発生する場合に有効的です

○アーチ型の天井で補集容量を大幅にアップ
○捕集容量をさらに高め、給気と蒸気の再循環を阻止
○層流の低速給気で乱流の発生を防止し、
調理機器からの蒸気の流れを誘導

◎各種仕様

①排気ビーム
・ステンレスAISI304製
・外観からはビスもリベットも見えない設計
・グリスフィルター内蔵
②アクティブパネル
・ステンレスAISI304製
・ドーム型またはフラット型が選択可能
・ダウンライトやスプリンクラーヘッド等の
各種防災設備が設置可
③グリスフィルター
・取り外しが容易で機械洗浄も可能
・耐炎性に優れた高効率FCグリスフィルター
(日本厨房工業会認定)
④給気ユニット
・細かい目のパンチングパネルから空気を送る置換給気ユニット
表面はアルミニウム製、
内部にはハニカム構造の樹脂パネルを内蔵
・面風速0.5m/s以下の緩やかな給気
⑤キャプチャージェット™3ユニット
・ステンレスAISI304製
⑥照明ユニット
・アルミニウム製
各種照明器具を内蔵し、ラミネートガラスによって
水蒸気・油等の調理排気から器具を保護
⑦パッシブパネル
・加熱機器エリア以外をカバー
表面にアルマイト処理を施したアルミニウム製で、
汚れや湿気にも強く衛生的
(オプションでステンレス製への変更も可能)
その他・・・天井をカスタムメイドで美しく演出
キャプチャージェット™3ユニットを内蔵した天井のモジュラリティと換気天井システムの製造に特化したハルトンのノウハウにより、天井システムを自由にカスタムメイド可能
色・形・材質・照明をアレンジする個性豊かな設計にもお応えします
◎各種オプション
○天井ユニットからの給気・壁面からの給気
一般的に採用される天井ユニットからの給気に加え、壁面からの給気も可能です
下記温度分布比較でも明らかなように、置換換気を最大限活用するには壁面からの給気が理想といえます
※より空調を効率良く運用可能であり、快適環境となる
実際は壁面に厨房機器が設置されることから、壁面からの給気を実現する際には綿密な計画が必要です
天井ユニットからの給気
壁面からの給気


○自動洗浄システム
より清掃労力・コストを削減することができる自動洗浄システムも選択可能です
自動洗浄システム導入には下写真同様の制御盤が別途必要となり、洗剤をセッティングすることが必要となります
あとは、制御盤にてタイマーセットすれば、自動的にグリスフィルターの洗浄を行います
給湯条件 : 55~65℃
使用湯量 : 最大30L/分
圧力条件 : 0.35~0.5Mpa
消費電力 : 1φ200V 0.5kw




○UVキャプチャーレイテクノロジー(UV-C)
紫外線(UV-C)の照射により光分解とオゾン分解が発生し、油脂の粒子と蒸気を除去する厨房排気浄化システム
UV-C : UVキャプチャーレイテクノロジーを組み込むことが可能です
※UVはウルトラバイオレット:紫外線、キャプチャー(capture)は捕集・捕捉を意味します
○M.A.R.V.E.Lシステム
M.A.R.V.E.Lシステムはキャプチャージェット™3テクノロジーに対応して専用設計されたインテリジェントデマンドコントロール換気(DCV:Demand Controlled Ventilation)システムです
※各熱機器の稼働状況を温度センサーに感知し、独自のアルゴリズム給排気システムを制御します
同システムは排気風量と給気風量を同時に管理することで調理ゾーンの気流・風量バランスを最適に維持するように設計されており、1つ又は、複数のダンパーやVAV装置を制御して給気を調整及び、排気と給気のバランスを一定に保つことを可能とします
キャプチャージェット™3テクノロジーと同システムの組合せによって、60%以上(最大64%)の排気を削減することが可能であることが実証されています
一般の排気フード
キャプチャージェット
キャプチャージェット+M.A.R.V.E.L

調理の状態に関係なく、常に定格出力で排気するため、非常に多くのエネルギーを無駄にしています
キャプチャージェット効果により換気風量を約30%削除することが可能
さらにM.A.R.V.E.Lで制御することで、必要に応じた換気量制御が可能となります
システム構成

参考動画はこちら
◎イニシャル+ランニング=トータルコスト
150㎡の食品工場に従来換気(その他天井材含)・換気天井システム(M.A.R.V.E.L付)を導入した場合のイニシャルコスト・ランニングコスト比較について以下参照下さい
ステンレス・アルミパネルを多用することもあり、天井材としてのイニシャルコストは高くなりますが、給排気容量が小さいことから空調コストを抑えることが可能となり、トータル的に安くなります
○従来換気方式
製品資材費:天井材・照明・排気フード等+施工費
その他工事費:ダクト工事・空調機・排気ファン等+施工費
○換気天井システム
製品資材費:天井パネル・グリスフィルター・照明等一式+施工費
その他工事費:ダクト工事・空調機・排気ファン等+施工費

◎カタログ
プレビュー
下記よりダウンロードが可能です
◎参考写真
◎KITCHEN DATABANKセレクトポイント
機能的且つ、デザイン性という意味で、今やヴィンボック換気天井システムは欠かせません
「厨房は暑いもの・加熱機器の上には排気フードが下がってくる」という考えは今や昔
現在では、換気天井システムというものが、快適な厨房環境を実現してくれます
加熱機器を有する厨房には排気フードが欠かせませんが、ダクトルートやダクトスペースの問題から必要給排気容量が確保できない場合も少なくありません
特に、既存オフィスビルにおける社員食堂・カフェテリア構築(オフィス移転等)時にはこのようなケースがほとんどであり、これまで何度もHALTON社に助けられてきました
そもそも、厨房を作るという設定がなされていないオフィスビルでは階高も十分とはいえない中でダクト・空調のやりくりを行い、さらに防水施工・排水系統を整えると床は必然的に300mm程度上がってきます
そうすると、厨房内天井高さは最低限の2100~2200mm程度しか確保できなくなります
この諸条件で一般の排気フードを取り付けようとすると、排気フード自体が最低でも450~500mm程度の高さが必要となるため、厨房として成り立たなくなってしまうのです
こんな時、換気天井システムを導入すれば、低いなりにもなんとか天井高さ(2100~2200mm)を確保しつつ、厨房を構築することができるのです
これまであきらめていた諸条件でも、厨房が構築できるということはすごいことだと思います
それだけでなく、同時に快適な厨房環境も手に入るのですから、現時点では最強のシステムといえます
このことは、調理スタッフだけでなく調理前の食材(冷蔵庫等から出されてセッティングされている食材)にも優しいということを意味します
また、デザイン性という点でも大いに活躍します
特に、ファインダイニングにおけるインテリアデザインに相対するものとして最適です
また、鉄板焼きカウンター等ではデザイン+静音性という点で非常に優れています
これは、置換換気及び、給排気風量が小さいということが大きく起因しており、風切音でお客様同士・お客様とシェフの会話が聞こえにくいという悩みを解消してくれます
特に設計者として嬉しいポイントとしては・・・
◎あらゆる加熱機器に対して、最適な給排気風量設定が可能
同社に諸条件を伝えることで、
①機器に応じて、必要給排気容量を算出(各機器の熱容量・特性によって計算)
②高い精度の計算書を持って、設備会社との打合
を行うことができます
日本では厨房給排気についての研究がまだまだ・・・
ということもあり、給排気ノウハウでは同社が突出していることは間違いありません
◎ステンレスとアルミの天井材を使用することから、油脂分の染み込みがないため厨房特有の臭いを抑制することが可能となります
◎排気フードの立ち下げ(通常では500mm以上のフードとなる)がなくなるため、圧迫感をなくすことができます
◎照明についても組み込まれていますので、最適な照度(500lux以上)を提供可能となります
◎インテリアに合わせて、天井材を塗装することも可能です(グリスフィルター除く)
◎通常の天井は建築・空調・電気・衛生等、各社合同で計画がなさるために打合も煩雑となりがちですが、同社一社にて天井伏図となりますのでシンプルです
◎自動洗浄システム・UV-C・M.A.R.V.E.L等、あらゆる要望に対応可能です
注意点としては
◎置換換気を行うためには18℃程度の空調給気が必要となりますので、空調設備会社との打合をしっかりと行う必要があります
◎油脂分等が染み込みませんが、天井材への付着がありますので、定期的なメンテナンス計画が必要です
◎機能が凝縮されたシステムですので、コストはかかります
※大規模施設になればなるほど、メリットはあります
※上記の通り、ランニングコストも踏まえての提案が重要です
◎同社は天井パネル・グリスフィルター・照明等の設計・取付は行いますが、ダクト・空調工事については別途設備会社によって施工される必要があります(あくまで製品メーカーと認識下さい)
※同社算出の各種空調条件・必要給排気容量に沿った設備計画が必要です
◎置換換気の特性により気流が小さいことから、大量に油脂分・湯気が発生する場合には検討が必要です
その場合には、キャプチャージェットフードとの組合が有効的です
◎デザイン性だけで、同システムを導入することはできません
あくまで、機能性があってこその製品です
まだまだ、日本では厨房内給排気について重要視されない(イニシャルコスト重視)ケースも多々ありますが、世界にはこのような優れたシステムがあり、日本でも入手できるという事実があります
検討の価値あるシステムです