(株)HALTON : キャプチャージェットフード
◎製品概要
ハルトン社キャプチャージェットフードは、省エネルギーで高品質の室内空気環境を実現するために開発された厨房用高効率換気フードです
あらゆるタイプの厨房に適応することが可能で、世界中の厨房環境改善に貢献しています
※給排気容量を30%以上削減(一般的な給排気比較)することが可能
※排気捕集効率は40%向上
同シリーズには自動洗浄機能付・洗浄機用・排気のみ等、多くのバリエーションが存在するため、あらゆる場面で最適な製品を選択することが可能です

◎キャプチャージェット™3とは
キャプチャージェット™3とは、
きわめて微量(最大30m3/h・m)な2方向の風を吹き出す特許取得の省エネ捕集技術を示します
このノズルは、フードのフロント面はもちろんのこと調理機器全体を取り巻くようにサイド面にも装備されています
この機構により、排気量を従来のフードよりも30%以上削減することが可能となります
キャプチャージェット™3動作時
フード内側・下側への風吹き出しにより、排気捕集漏れを防いでいます
キャプチャージェット™3停止時
フード内側・下側への風吹き出しがないため、排気捕集漏れが発生しています


◎各種フードとの比較
概念図
従来型フード
給排気フード
キャプチャージェットフード

概要
調理機器上部にフード及び、グリスフィルターを設けて排気を捕集する
排気接続部しかなく、給気は外気か空調空気をフード周辺より行う
排気フ―ドに外気取入口を統合
○排気のための給気量を確保する
○空調空気の無駄な排気を抑制する
というアイデアから考案された
キャプチャージェット技術により、排気捕集効率を最大限に高める
快適な室内環境の構築・大幅な省エネルギーを目的として考案された
風量
排気容量 : 100%
排気容量 : 100%
排気容量 : 60%(最大40%削減)
温湿度環境
一切考慮されていない
従来型フードよりも悪化することも有
※総合的な計画が必須
温湿度環境を著しく改善
◎キャプチャージェットフード標準モデル-KVF / KVI
キャプチャージェット™3を搭載する高効率フードであり、あらゆるクローズキッチン(ホテル・レストラン・病院・セントラルキッチン)及び、オープンキッチン(ホテル・レストラン)まで対応可能なオールラウンドタイプです
また、省エネを求められるプロジェクトにも最適です

KVFモデル
キャプチャージェット™3搭載の給排気一体型フード
KVIモデル
キャプチャージェット™3搭載の排気フード


特徴
○キャプチャージェット™3により、捕集効率を最大40%向上
○適切な換気量により、ランニングコストを大幅に削減
※調理機器からの放熱量をベースとした独自の換気計算方式を採用
○高効率FCグリスフィルター(日本厨房工業会認定)により、排気経路のメンテナンス費用を削減
○排気量の削減と気流制御された給気により、快適な温湿度と静かな排気音を実現
○調理排気の捕集率がきわめて高いため、室内の清潔環境維持に貢献
○フード内照明を標準装備していることから、フード直下においても500lux以上の照度を確保
特に・・・
給排気一体型(KVFモデル)とすることにより、厨房内の気流を制御することが可能
仕様
○ステンレスAIS1304製
○外観からはビスもリベットも見えない設計
※排気ビームの気密性を保持
○捕集効率を向上さ世るキャプチャージェット™3専用ファンを内蔵
○ステンレス100%の高効率FCグリスフィルターは一定の負荷を取り払い、耐炎性証明済で機械洗浄が可能
○排気風量と給気風量を迅速に測定する風量測定T.A.B内蔵(静圧計測定時のみ利用)
○照明用カバーガラスにはIP65規格の強化ガラスを使用
※IP6x…防塵試験、 IP5x…防滴試験
○油の捕集にはオイルカップまたはドレンコックから選択可能
○オプションでABS製のパーソナルノズルを選択可能
※強い熱気を放つ調理器具の正面での作業を快適化するだけでなく、冷気流を感じたい調理スタッフ向
◎バックシェルフモデル-KVL / UVL
KVL-外観
KVLモデル
UVLモデル



特徴
フライヤー・グリラーから発生する汚染物質をすぐ近くで捕集するように設計された専用フードです
※特にファーストフード・コンビニエンスストアに向いています
UVLモデルは上記UVキャプチャーレイテクノロジーを搭載しています
◎洗浄機用モデル-KVV / KVD
KVVモデル
KVDモデル


特徴
KVVモデルは単一排気型のフードであり、排気に含まれる蒸気を分離するバッフルプレート装置を備えています
KVDモデルはフロント面から低速給気を行う給排気一体型のフードであり、洗浄装置からの蒸気を強力に除去することを目的として考案されました
◎その他モデル1-KWF / KWI

自動洗浄機能搭載モデルです
自動洗浄技術ウォーターウォッシュにより、定期的にフィルターを清掃する手間が省け、メンテナンス費用を大幅に削減します
自動洗浄機能搭載フードの排気ビームは、水密性高く設計されています
フィルターと排気充気室を迅速に効率よく洗浄するためのスプレーノズルを備えた洗浄配管を内蔵しています
洗浄配管は、ハルトンの制御機能に共通のプラットフォームを搭載した制御キャビネットと連結しています(左写真参照)
給湯条件 : 55~65℃
使用湯量 : 最大30L/分
圧力条件 : 0.35~0.5Mpa
消費電力 : 1φ200V 0.5kw
◎その他モデル2-UVF / UVI
UVFモデル
UVIモデル


特徴
調理蒸気に含まれる油脂を分解・除去し、ダクト内への油脂の付着や臭気が外部へ排出されるのを軽減するために開発されたUVキャプチャーレイテクノロジーを搭載しています
UVキャプチャーレイテクノロジーとは、紫外線(UV-C)の照射により光分解とオゾン分解が発生し、油脂の粒子と蒸気を除去する厨房排気浄化システムです
※UVはウルトラバイオレット:紫外線、キャプチャー(capture)は捕集・捕捉を意味します
◎シンプルキャノピー-KVX
KVXモデル

一切の付加機能を取り払った最もシンプルな排気キャノピーも取り扱っています
◎各種モデル一覧表
特徴と最適な業態
特徴 | 最適な業態 | |
KVF/ KVI |
最も標準的なオールランドタイプ KVFには低速給気ユニットを搭載 |
あらゆる厨房 |
KVL | フライヤー・グリラーに特化したバックシェルフ型フード | ファーストフード・コンビニエンスストア |
KVV / KVD | 洗浄機専用フード | 業態問わず |
KWF/ KWI |
標準機能に加え、グリスフィルター自動洗浄機能を付加 高い衛生環境が求められる厨房に最適 KWFには低速給気ユニットを搭載 |
ホテル・病院厨房・セントラルキッチン等の大量調理施設 |
UVF / UVI / UVL |
紫外線による油脂分解機能を搭載し、ダクト火災等への高度な対策が可能 フード本体・ダクトへの油脂分付着を最低限に抑えることが可能となり、ダクト清掃費用を大幅に削減 簡易的な脱臭装置としても利用実績有 |
超高層・高層ビルに最適 中華など多量に油分を使用する厨房に効果大 |
KVX |
キャプチャージェット機能を取り除いた単純キャノピーフード |
あらゆる厨房 |
付属性能早見表
グリス フィルター |
低速 給気 ユニット |
キャプ チャー ジェット |
照明 |
風量 確認 表示 |
強制 結露 スリット |
UV-C |
自動 洗浄 システム |
自動 消火 装置 |
|
KVF | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | |||
KVI | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ||||
KVL | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ||||
KVV | △ | △ | 〇 | △ | |||||
KVD | 〇 | △ | △ | 〇 | △ | ||||
KWF | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | |
KWI | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | ||
UVF | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ||
UVI | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | |||
UVL | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | |||
KVX | 〇 | 〇 | △ | △ |
◎オプション
○M.A.R.V.E.Lシステム
M.A.R.V.E.Lシステムはキャプチャージェット™3テクノロジーに対応して専用設計されたインテリジェントデマンドコントロール換気(DCV:Demand Controlled Ventilation)システムです
※各熱機器の稼働状況を温度センサーに感知し、独自のアルゴリズム給排気システムを制御します
同システムは排気風量と給気風量を同時に管理することで調理ゾーンの気流・風量バランスを最適に維持するように設計されており、1つ又は、複数のダンパーやVAV装置を制御して給気を調整及び、排気と給気のバランスを一定に保つことを可能とします
キャプチャージェット™3テクノロジーと同システムの組合せによって、60%以上(最大64%)の排気を削減することが可能であることが実証されています
一般の排気フード
キャプチャージェット
キャプチャージェット+M.A.R.V.E.L

調理の状態に関係なく、常に定格出力で排気するため、非常に多くのエネルギーを無駄にしています
キャプチャージェット効果により換気風量を約30%削除することが可能
さらにM.A.R.V.E.Lで制御することで、必要に応じた換気量制御が可能となります
システム構成

参考動画はこちら
◎イニシャル+ランニング=トータルコスト
40㎡のレストラン厨房に従来型フード(その他天井材含)・キャプチャージェットフードを導入した場合のイニシャルコスト・ランニングコスト比較について以下参照下さい
フード本体は3倍の価格となりますが、換気風量は2400㎥を削減(ランニングコスト削減)できることから初年度に投資回収が可能となります
○従来型フード
製品資材費:天井材・照明・排気フード等+施工費
その他工事費:ダクト工事・空調機・排気ファン等+施工費
○キャプチャージェットフード
製品資材費:天井材・照明・キャプチャージェットフード(グリスフィルター・照明等一式)+施工費
その他工事費:ダクト工事・空調機・排気ファン等+施工費

◎カタログ
プレビュー
下記よりダウンロードが可能です
◎参考写真
◎KITCHEN DATABANKセレクトポイント
加熱機器を有する厨房には排気フードが欠かせませんが、諸条件によって様々な制限を受けることは必至です
特にダクトルートや、ダクトスペースの問題から必要給排気が確保できない場合も少なくありません
そうなりますと、適切に熱気が排気されずに厨房環境が悪化することになります
このことは、調理スタッフだけでなく調理前の食材(冷蔵庫等から出されてセッティングされている食材)にも悪影響を及ぼします
こんな時に強い味方となってくれるのがキャプチャージェットフードです
30%以上の排気量を抑えることができるということは、給気も同じく抑えることができることを意味します
つまりは、給排気ファンの小型化・ダクト径の縮小化に結びつきます
また、空調ロスを抑えることもできることは大きなメリットといえます
特に、中華料理・麺類等、大量の湯気や油脂分を発生する業種では有効的且つ、劇的に環境が変わります
特に設計者として嬉しいポイントとしては・・・
◎あらゆる種類のフードを有することから、様々なケースに対応することが可能です
同社に諸条件を伝えることで、
①機器に応じて、最適なフードを選択
②必要給排気容量を算出(各機器の熱容量・特性によって計算)
③高い精度の計算書を持って、設備会社との打合
を行うことができます
日本では厨房給排気についての研究がまだまだ・・・
ということもあり、給排気ノウハウでは突出していることは間違いありません
◎自動洗浄システム・UV-C・M.A.R.V.E.L等、あらゆる要望に対応可能です
また、キャプチャージェットフードでの選択・組合だけでなく、ヴィンボック換気天井システムとの組合も行うことができます
注意点としては
◎加熱機器から上がる油煙等の角度からフードサイズを算出することもあり、一般に考えられているフードサイズよりも大きくなりますので、周辺の照明・空調吹出口等との調整を綿密に行う必要があります
◎機能が凝縮された排気フードですので、コストはかかります
ただし、予算に応じてあらゆるフードを選択することが可能ですので、同社と密に打合を行う必要があります
※上記の通り、ランニングコストも踏まえての提案が重要です
◎同社は排気フードメーカーのため、ダクト・空調工事については別途設備会社によって施工される必要があります
※同社算出の各種空調条件・必要給排気容量に沿った設備計画が必要です
まだまだ、日本では厨房内給排気について重要視されない(イニシャルコスト重視)ケースも多々ありますが、同製品という選択肢があることを認識頂ければ幸いです
きっと、ソリューションが見つかります