(株)ラショナル・ジャパン : SelfCookingCenter whitefficiency
◎製品概要
1973年、以前は焼くといった単機能であったコンベクションオーブンに、蒸す・煮る・蒸し焼きにするといった機能を加えたスチーム・コンベクションオーブンを世界で初めて開発・発売したのがドイツ・ラショナル社であり、継続的な改良を重ね、1996年にCPCモデル、2004年には35年以上の知識・データ・経験値を搭載し、希望の仕上がり(例えば、焼き色・焼き加減)を選択するだけで、あとは自動認識を行い調理を行うというまさに革命的なドリームマシン:SelfCooking Centerを発表

そして2011年・・・
他社の追随を許さないSelfCooking Centerの進化系を発表・・・
それがSelfCooking Center whitefficiencyです
What is whitefficiency?
whitefficiencyとは、時間・エネルギー・水・スペース・食材等、投入する全てのものから最大限のメリットを引き出す・・・という総合的な姿勢を意味します
○時間・エネルギー・水・スペースの消費を最小限化
○食材ロスの削減
○歩留まりの向上による食材投入量の削減
○省スペースの実現
⇒グリル・蒸し器・回転釜・大鍋等、従来の調理機器の40~50%を代替
⇒「efficiency=効率」の体現

◎製品4大特徴
1 : HiDensityControl®(ハイ・デンシティ・コントロール)
パワーと調理品質の融合
SelfCookingCenter® whitefficiency®の効率の基盤
庫内の熱・空気・湿度を集中的かつ均一に分散させる技術により、必要な部分に必要な量のエネルギーを投入
全段投入してもムラのない均一な仕上がりを可能にします
(特許取得済み)
1-1 : ダイナミックな庫内対流
○特許取得済みの新技術ダイナミック・エアー・ミキシングと対流を最適化する庫内形状
○ファンスピードの精密な制御
⇒すべての段の食材が均一にムラなく仕上がります
1-2 : 効果的な湿度調整機能
○新しい庫内湿度調整機能
⇒大量調理であっても衣や皮目をカリッと、中をジューシーに仕上げることが可能です
1-3 : 衛生的なピュアフレッシュスチーム
○強力で高効率なフレッシュスチーム発生器・新開発のスチーム制御
⇒お湯でゆでる場合と変わらないレベルの豊富なスチームを庫内に満たし、やさしく繊細に調理します
⇒調理時間を最小限に抑え、食材の色味や歯ごたえ、ビタミン・ミネラル等の栄養素も逃すことがありません
⇒スチームの温度は一定で、庫内を飽和状態にキープします
⇒食材は常に衛生的で新鮮なスチームにやさしく包まれ、デリケートな食材でも乾燥しません

調理具体例
320個のクロワッサン : 23分
160枚の照り焼きチキン : 20分
120kgのローズマリー風味ポテトソテー : 40分
80kgのブロッコリー : 15分
240枚のとんかつ : 12分
160枚のステーキに、グリルの焼き目をつけて : 15分
480個の蒸しパン : 30分
500人分のポテトグラタン : 80分
2 : SelfCookingControl®(セルフクッキング・コントロール)

料理の専門書そのままの調理品質を保証
希望の仕上がりを選択するだけで、食材の大きさや状態・投入量を自動認識し、最適な温度や庫内環境を算出
調理プロセスは常に自動で制御・高精度に調整されるため、安定した高い調理品質が保証され、プログラムの設定や調理中の監視・再設定などから解放されます
2-1 : 多様性-賢く簡単に調理
○高精度調理プロセスの自動化
○数百人のラショナルのシェフが収集した調理の経験と知識を蓄積
⇒どんな食材も調理も、大きさや状態・投入量にかかわらず、同時調理であっても、誰が操作しても・・・
常に安定した結果が保証します
2-2 : クリエイティブな分野に貴重な時間を
○調理中の監視や設定後の再調整などのルーティンワークからの解放
○調理温度・時間・湿度・風量などの設定や面倒なプログラム入力なども不要
⇒新しいメニューの考案や納得のいく食材選び・入念な仕込み・美しい盛り付け・お客様のおもてなしなど、クリエイティブな分野に専念することが可能になります
参考動画はこちら
3 : Efficient LevelControl®(エフィシエント・レベルコントロール)
同時に調理 同時にサービス
段ごとに種類の異なる複数の食材を投入し、同時調理が可能です
各段は個別にコントロールされ、食材の量・途中のドアの開閉数・開閉時間も考慮、調理時間が都度修正されるため常に安定した仕上がりになります
厨房での作業を効率化し、調理時間とエネルギーを削減します
3-1 : 種類の異なる複数の食材の同時調理
○同時に調理できる料理を表示
○投入量やドアを開けた回数・長さに合わせて、調理時間をインテリジェントに適合
○肉や魚・野菜などを同時に投入して調理しても、におい移りや味移りはなし
○各段は個別に監視され、それぞれの料理が出来上がると自動で通知
⇒すべての料理が自動で最適な状態に仕上がります

4 : CareControl (ケアコントロール)

汚れ・水垢・コストに万全の対策
機器の汚れの度合いに応じて必要な分量のエネルギー・水・洗剤を算出し、全自動で洗浄します
また、ケア剤に含まれる特殊成分が水垢の付着を防止、機器は常に美しく衛生的に保たれ、耐用年数の延長します
4-1 : 洗浄とケアを最小限のコストで
○夜間の自動洗浄で快適
○エネルギー、水、洗剤の消費を削減
○洗浄にかかるコストを削減
○衛生的で輝く庫内
◎SelfCooking Centerからの進化
1 : 庫内ファン制御
SelfCooking Center(以下SCC)では5段階の風量調節機能はあったものの、ファンは一方向のみの回転でしたが、SCCwhitefficiencyでは風量と回転(方向)を庫内状況から自動認識を行い、インテリジェント制御を行うようになりました
⇒全段投入が可能となり、段ごとの焼けムラを最小限とします
2 : 効率的な除湿機能
SCCでも除湿機能はありましたが、SCCwhitefficiencyでは除湿時間を50%短縮
⇒揚げ物・焼き物の仕上がりに大きく貢献します
3 : ピュアフレッシュスチーム
SCC比較、より庫内スチーム密度のUP・圧倒的な飽和量を実現したと同時に、水・エネルギー消費を最適化・削減
⇒ラビオリ等のパスタも調理可能になりました

4 : 最小限資源消費・最大限調理パフォーマンス
SCC比較、20%のエネルギーを削減
電気等の総容量は大きく変わっていませんが、最大30%の稼動能力向上により調理時間を短縮します
5 : 新ガスパワーブースター
SCC比較、エネルギー消費・排ガスを最大20%削減
⇒信頼のパワーブーストシステムで耐用年数とメンテナンスコストを削減します
6 : ELC : Efficient Level Control-シンプルで見やすい同時調理(ガイド機能付)
SCCではできなかった調理温度・湿度が異なる(±10℃/±10%)場合の同時調理が可能となりました
また、段ごとにおける投入内容・ガイドが表示可能となりました


7 : 新操作パネル・サポーティブなライブラリー機能・自由なカスタマイズ
各種表示制限等があったVFD(蛍光表示管)から8.5インチTFTパネルへ
SCCでは350通りのプログラム保存が可能であったが、SCCwhitefficiencyではレシピ・バスケット(グループ)機能等、ほぼ無限にプログラム保存が可能となり、様々なカスタマイズ・ドラッグ&ドロップ・ソート・検索等のサポート機能も充実化が実現された
8 : Care Control
清浄度・ケア度がひと目で分かる表示を搭載すると共に、節約モードの採用にて水・洗剤消費量を最大40%削減
※軟水器の設置は不要
9 : 最新のエアーフィルター
SCCでは定期的なチェック・洗浄・交換の必要がありましたが、操作パネルディスプレイで洗浄時期をお知らせするため、チェックが不要となりました
※フィルターは食器洗浄機で洗浄可能
10 : その他新機能
○取扱説明書と調理ハンドブックを搭載(操作パネルディスプレイで閲覧)
○調理中のプロセスをインフォ・キーで表示
○5段階の発酵プロセス機能搭載
○スチーム・ベイク機能搭載
○ホールディング等の新しい調理機能搭載等・・・
◎機能性をまとめた製品資料はこちら
◎代表的活用方法
1 : Overnight Cooking
SCCwhitefficiencyを最大限に活用する方法のひとつとしてOvernight Cooking(夜間調理)が挙げられます
Overnight Cookingによって時間やエネルギーコストの節約につながるだけでなく、ローストビーフ等のブロック肉の低温・長時間調理には最適であり、歩留まりも非常に良くなります
2 : Finishing
Finishingとは
SCCwhitefficiencyで事前に仕込みを行い、冷却&保存
⇒アラカルトの場合には注文が入った時点で冷たい状態で盛付、Finishingモードで最終仕上・提供します
⇒バンケットの場合には予定人数分のお皿に落ち着いた状態で盛付、専用のモービルプレートラックに搭載して冷却保存後、バンケットの時間に合わせてFinishingモードで最終仕上・提供します
⇒朝食等のブッフェの場合には上記Efficient LevelControl(同時調理)を活用することで、提供時間・ブッフェの状況に合わせてFinishingモードで最終仕上・提供します
3 : 段積設置
SCCに引き続き、熱い料理が入ったホテルパンを目の高さ付近で作業するのは大変危険な作業であるため、欧州規定にて最上段庫内レールの高さが1.6mとされており、同社製品についても20段タイプにも適用しているだけでなく、下10段+上6段といった段積設置時においてもクリアするといった優れたコンパクトさを兼ね備えています
4 : 耐久性と多用性に富んだ豊富なアクセサリー
SCCwhitefficiencyの持つメリットを完全に実現させるべく、業務用厨房でのハードな使用にも適する耐久性に富んだ数多くのアクセサリーを取り揃えています
マフィン型・グリル・ピザ・フライ用のプレートをはじめ、各種トローリー等が代表です


◎Rational Cooking Live
同社はスチームコンベクションオーブンの専門メーカーだけあり、様々な調理講習会も実施しています
是非とも、経験豊かな同社シェフと和やかな雰囲気の中で、実際にSCCwhitefficiencyを操作し、実体験をしてみはいかがでしょうか
開催地、日程等はこちらへ!!
◎バリエーション(共通機能・装備)

ユニット | 61モデル | 101モデル | 62モデル | 102モデル | 201モデル | 202モデル |
容量 | 縦6×1/1GN | 縦10×1/1GN |
縦6×2/1GN
横12×1/1GN |
縦10×2/1GN
横20×1/1GN |
縦20×1/1GN |
縦20×2/1GN
横40×1/1GN |
目安食数(日) | 30〜80 | 80〜150 | 60〜160 | 150〜300 | 150〜300 | 300〜500 |
外形間口(mm) | 845 | 845 | 1067 | 1067 | 877 | 1082 |
外形奥行(mm) | 770 | 770 | 970 | 970 | 790 | 995 |
外形高さ(mm) | 782 | 1042 | 782 | 1042 | 1782 | 1782 |
給水接続 | R 3/4(20A) | |||||
排水接続 | DN 50 | |||||
電気式 | ||||||
重量(kg) | 112.5 | 132.5 | 148.5 | 183.5 | 267.0 | 346.0 |
最大消費電力(kw) | 10.1 | 17.2 | 20.7 | 34.0 | 34.3 | 62.3 |
遮断電流値 | 3×35A | 3×63A | 3×63A | 3×100A | 3×100A | 3×200A |
電源 | 3φ200V 50/60Hz | |||||
ガス式 | ||||||
重量(kg) | 127.0 | 149.5 | 169.5 | 203.5 | 297.5 | 374.0 |
最大消費電力(kw) | 0.4 | 0.5 | 0.77 | 0.8 | 0.95 | 1.6 |
遮断電流値 | 1×15A | 1×15A | 2×15A | 2×15A | 1×15A | 2×15A |
電源 | 1φ100V | 1φ100V | 1φ200V | 1φ200V | 1φ100V | 1φ200V |
ガス接続 | R3/4(20A) | |||||
最大ガス 消費量(kw) LPG/12A/13A |
13.6 13.4 14.4 |
23.3 22.7 24.4 |
30.0 28.9 31.0 |
48.5 46.5 50.0 |
44.6 45.4 48.8 |
97.0 92.8 99.8 |
共通機能
○SelfCookingControl : 7つの調理モード
○マニュアルモード : 3つの運転モード
※スチーム・ホットエアー・コンビネーション
温度領域 : 30〜300℃
○ClimaPlus Control
: 湿度の計測設定制御が1%単位で正確に可能
○HiDensithyControl : 庫内のエネルギー分配
○内蔵ハンドルシャワー・自動巻き戻し装置付
共通装備
○芯温センサー : 6点計測
○最大12ステップ・350プログラムまで保存可能
○強制加湿 : 3段階に設定可能
○5段階のファンスピード調整・プログラミング可能
○USBインターフェース搭載
◎KITCHEN DATABANKセレクトポイント
SelfCookingCenterが発表され、同社クッキングライブに参加した時には衝撃を受けたことを記憶していますが、whitefficiencyへの進化もすばらしいの一言に尽きるのではないでしょうか
また、ドイツのレストラン等をのぞいた時、ほとんどが同社製品が導入されていることにも驚きました
※世界においては2台に1台のシェア
昨今、日本においてもスチームコンベクションは調理機器の中心ともいえる存在であり、いかに使いこなすかがポイントといえます
パート・アルバイトが多く存在する業種も多く、必ずしもプロフェッショナルが使用するとはいえない現場では、いかにレシピを決めてもその通りに調理できないこともあります
※スチームコンベクションに投入する前の食材温度、重量が同じでも形が異なる等
そんな、現場で力を発揮するのがSelfCooking Controlといえ、まさにロボットの出現といえます
もちろん、自分自身で全てを決定するマニュアル操作でもありとあらゆる細かな設定が可能なため、プロフェッショナルの要望に十二分に応えることができる製品といえます
特に設計者として嬉しいポイントとしては・・・
◎間口・奥行・高さにおいて他社にはないコンパクトサイズ
日本だけに限らず、限られた厨房面積内に機器を設置する時にコンパクトさはポイントです
また、特に下10段+上6段といった段積が可能である点は非常に大きなポイントといえ、キャパシティ+使い勝手(焼く+蒸すを同時にできる)でアドバンテージがあります
※多くの他社製品では高さの関係から下6段+上6段までが多いです
※ガスタイプの場合には下段排気の問題から下6段+上6段となります
◎全段投入・同時調理が確実に可能となったこと
これまではホテルパン収納枚数に対して同時調理できる能力としては、半分程度(一段おきにホテルパンを投入し、焼きむらを抑制するため)という計算のもと設計を行っていましたが、whitefficiencyについては全段投入できることから、これまでの設計台数の半分となり、コスト&スペースの削減が可能となります
◎豊富なバリエーション
ホテルパン収納枚数を基準とする機器本体だけでなく、様々なオプションや仕様があるといった豊富なバリエーションはまさに世界一であり、あらゆる要望に対応が可能です
◎世界における知名度
日本だけでなく、海外の案件を設計する場合にも安心してスペックすることができる知名度があります
注意点としては
◎どんなスチームコンベクションオーブンでも同じですが、操作パネル側面(同社製品は左)が壁面等となる場合にはメンテナンスのため300mm程度の空間を確保する必要があります
◎通常の扉仕様は右ヒンジですが、機器レイアウトとして逆ヒンジにしたい場合にはドイツでの工場対応となるため、納期確認が必要です
※操作パネルを右に配置することは不可
◎どんなに優れた製品でも機械である以上、使用環境や頻度に応じたメンテナンスが発生しますので、購入前にメンテナンスコスト(部品・作業費)を確認する必要があります
◎ホテルパン自体は本体には付属しないため、機械と同時に購入する必要があります
◎基本的に軟水器は不要となりますが、温泉付近等の水の硬度が高い地域においては事前確認が必要です