今回はデザインの統一性の第三弾
格好いい厨房に仕上げるポイントについてお話したいと思っています。
前回までの、厨房全体の統一性、調和に加えて以下がポイントといえます。
1-デザイン性に優れた機器をセレクトする
2-デザイン性に優れた水栓カランをセレクトする
3-コールドテーブルについて、ステンレス製作品同様の取手とする
4-換気天井システム、ジェットエクトラクションシステム等の給排気システムの導入
5-ダイニングエリアと統一感ある素材を壁面等に採用することで一体感を演出
1-デザイン性に優れた機器の導入
これは、当然といえば当然ですが・・・
フロントサイド、例えばカフェカウンターに設置するエスプレッソマシン、バーのバックカウンターに設置するボトルクーラー、オープンキッチンにおけるレンジ、ロティサリー等が該当します。
エスプレッソマシンについては、以前のブログで紹介しました白いチンバリー等が一例であり、オープンキッチンについてはエレクトロラックス社のモルテニ・タルマラインのセンターレンジ(アイランドに設置)等、カウンターやキッチンにおける顔つまりは、センターを決める必要があります。このことにより、カウンター・オープンキッチンがぐっと引き締まります。
格好いいエスプレッソマシンはエスプレッソ等への期待感を向上させるでしょうし、カフェにおける時間をより楽しくしてくれます。
同じく、格好いいレンジを配するオープンキッチンはレストランで過ごす時間をより良いものとしてくれるでしょう。
※置いてあるだけで絵になる製品且つ、機能性に優れるというのが最強ツールといえます
※以下の写真を参照下さい








2-デザイン性に優れた水栓カラン
折角、カフェやオープンキッチンで格好いい機器を導入しても水栓カランがスタイリッシュではない場合がありますが、非常に残念なことといえます。こと水栓については、厨房サイドで設定できるものかどうか(設備サイドで予算に応じて選定されてしまうこともある)はプロジェクトによっても異なることも大きく起因していると思われます。
いづれにしても、家庭用キッチンにおいてもそれなりの水栓カランが取り付けられる時代ですから、やはりスタイリッシュ且つ、業務用として耐えることができる製品を選択する必要があります。
私自身、カウンターライン等で湯水混合水栓と浄水器用単水栓を並べて取り付ける場合には、同じスタイルとするように心がけています。
※以下の写真を参照下さい




3-コールドテーブルの取手交換
コールドテーブルは既製品を導入することが基本となりますが、その場合には各社樹脂製の取手がついてくることになります。しかしながら、その他ステンレス製作品(テーブル・シンク類等)には同じ取手をつけることはできませんので、通常は統一感がないものとなってしまいます。そこで、統一感を出すために行うのがコールドテーブルの取手交換です。このことは扉自体の交換となってしまうこともあり、改造費用がかなり発生することになりますが、ここぞという時にはこれを行う価値はあります。加えて、コールドテーブルの機械室カバー(多くは機器の左側250mm程度)も樹脂パーツが多く採用されていることから、ここまで改造できればいいですが、これはなかなか難しいようで実現にはほとんど至っていません。
※ほとんどが製造コスト削減のため、樹脂製が採用されています
欧州の展示会で見る限りでは、メーカーによっては数種類の取手から選択できるといったオプションがある等、このあたりはまだまだ日本メーカーには見られない部分です。我々設計者からするとコスト重視の規格製品と、オープンキッチン用としてオプション選択できるようになれば・・・と願うばかりです。
※以下の写真を参照下さい






4-換気天井システム等の導入
ハルトン社の換気天井システムは加熱機器上部に箱形の排気フードをおろすことなく、天井全体で給気・は排気を行う(冷気を下げて暖気を押し上げる置換換気)システムであり、厨房環境を良くするだけでなく見た目も非常にすっきりします。天井全体がステンレスとアルミパネルで組み合わされることもあり、厨房機器との一体感もでますが、場合によって(デザインに合わせて)は天井パネルを塗装することもできます。また、通常はカバー付の蛍光灯も組み込まれるシステムですが、ダイニングとの照明調和を行うために蛍光灯ではなくダウンライト等を適宜組み込んでいくことも可能です。
これらより、昨今のオープンキッチンでは採用が多くなっています。
また、各社一押メニューでも紹介しておりますジェットエクストラクションシステムについても、デザイン性に優れた製品であり、ライブキッチンやシェフズテーブル等に最適といえます。




5-ダイニングエリアとの統一感
キッチンといえば、壁は100mm□のタイル・床はノンスリップのタイル・・・
バックキッチンはこれで機能を果たせますが、オープンキッチンではそういう訳にはいきません。やはり、ダイニングとの統一感・調和が重視されます。昨今では、ダイニングとの融合・・・ということでダイニングで使用する壁面等をオープンキッチンにも採用する等の工夫がなされることが多くなっています。
こうすることで、一般的なキッチンのイメージは払拭され、ダイニングとオープンキッチンが一体感を織りなすレストランになることができます。
※ただ、清掃ができない等といった素材では問題がありますので、そのあたりはインテリアデザイナーとの協議を行う必要があります。
※以下の写真を参照下さい


いかがだったでしょうか・・・
正直申しますと、水栓を除いてはいづれも金額がかかることです。
ただ、厨房機器サイドでもこのような工夫・対応ができるということを知識として持って頂くことは大切かと思います。
参考にして頂ければ幸いです。
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戸田史子 (火曜日, 14 5月 2013 20:25)
写真でみると分かりやすいですね!
kitchendatabank (水曜日, 15 5月 2013 08:05)
戸田様
ありがとうございます!様々な方々とプロジェクトをご一緒するため、写真やビジュアルを多く使い、誰にでもわかりやすい資料等を作ることをモットーとしております!