厨房機器デザインの統一性-1

今回は、厨房設計を行っていく上での永遠の悩み・課題を・・・

 

長年厨房設計に携わってきている身として・・・というのでしょうか、最終的にはバシッとした仕上がりにしたいという思いがあります。

※これは、私にだけに限らず厨房設計関連の方々全てだとは思います

しかしながら・・・これがなかなかうまくいかないのが現実です。

理由としては、家庭用のシステムキッチンと異なり様々なメーカー製品を設置していくためです。ただ、実はそれだけでなく、同じメーカー製品を設置していっても(特に並べて)、様々な問題は発生します。

下の写真を参考例として、具体的にみていきましょう。

※完成していない状況(施工段階)の写真のため、細かなところが仕上がっていない点はご了承下さい


ある厨房改装時、ガスレンジ類からオール電化へ移行することもあり、火口を減らすことないようにといったシェフからのリクエストのもと、某社IH(電磁調理器)を各種計画しました。

電磁コイル容量や使い勝手等から各種異なる製品を並べることになったのですが、さてここで問題が生じました。同じメーカー製品のため、操作パネル部等はほぼ統一されているのかと思いきや、機種によってばらばらなのです・・・加えて、脚部の高さ、脚部の前後位置、操作面が垂直・斜め、機器下のフィルター部の取手形状、バックガードの厚み等、あらゆることが揃わないのです。

※バックガードの高さは改造で揃えています

図面作成時にもある程度は分かっておりましたが、実際の製品群を見ると・・・当然ながら差異が際立ってしまい、設計者としてはやはり少々ショックでした。

同メーカー製品は高品質で性能も良いことは確かですが、これは・・・といった印象でした。

異なるメーカー製品を並べて揃わないということはまだ理解できますが、同じメーカー製品を並べても揃わないとなると我々ではどうすることもできません。上記の通り、バックガードや天板前面の折形状はメーカーサイドが対応可能な範囲(簡易的な改造レベル)で依頼をすることで最大限のことはしますが、機能等がからむところについてはメーカーサイドも対応不可(できたとしてもコストが大幅にUPしてしまう)となりますので、こちらもお手上げです。

このようなことは同メーカーでも異なる機器の設計者・異なる開発時期等が起因していると予想できますが、機器メーカーであっても最終的に機器が並んだ状態を想定(イメージ)して、トータル的なデザイン調整をして頂きたい・心がけて頂きたい(機器設計の最終段階でこの検証プロセスをと組み込んで頂きたい)いうのが私の長年の願いです。

残念ながら日本の厨房機器メーカーが製造する製品は、最終的に厨房機器が並んだところをイメージして作られていないものがほとんどといっても過言ではありません。これが事実です。

このあたりは、欧米の機器は進んでいると言わざるを得ない現状がありますが、近い将来にはこのような考えが受け入れられて実践されていくことを願っています。こうなれば、確実に日本の厨房産業・業界というものが全体的にレベルアップしていくはずです。

話は総論的になりますが、私自身が厨房設計をする時に何を基本としているか・・・・

私は厨房全体を見渡した時、いかに統一性がとれているかを重要視しています。

全体でどれだけ調和がとれているか・まとまりがあるか・・・ラインがそろっているか・高さがそろっているか等です。

これはホテルオープンキッチン・ブッフェレストラン等の設計をこなしてきた経験上から生まれた考えです。

それまでは、どうすればきれいに見えるかを試行錯誤したものです。

次回は、そのあたりを踏まえてもう少し詳細をお話ししたいと思います。