キッチン・フードサービスコンサルタントとは-3

今日は社員食堂・社内カフェプロジェクトの場合について・・・

 

ホテルプロジェクトと共に、我々コンサルタントが必要とされるケースが社員食堂・社員カフェ等です。中でも大手企業が移転等を行う場合にお声がけ頂くことが多いです。当然ながらオフィスデザインを行うために内装デザイナーとの協同になりますが、内装デザイナーでは厨房計画までは出来ないため我々の出番となります。厨房計画といいましても食材動線計画や厨房機器レイアウトだけの場合もありますし、時には厨房エリア内の建築・設備的な計画を行う場合もあります。専門用語でいうBOH(Back of the house:FOH客席エリアの逆)の設計といわれるもので、内装デザイナーの業務範囲を意匠面に限定した場合にこのような区分になることがあります。また、内装デザイナーとは別に、設備設計会社とも協同することになり、空調・電気・衛生工事等、様々な点で打ち合わせを行うことが必要となります。

また、厨房設計以外にも重要な役割があります。それが、運営会社の選択についてのサポート及び、運営が開始されるまでの各種調整役(メニュー開発補助・食器選定補助等)というものです。

 

社員食堂・社内カフェという施設をつくる場合には、運営会社を選定する必要があります。当然ながら、各企業にて直営する(専門スタッフを雇用して、食材購入して運営する)場合も中にはありますが、食に関する企業等に限定され、一般的には運営を専門会社に委託することになるためです。

このように社員食堂・社内カフェといった産業給食(言い方が少々古い感じはしますが)の運営受託企業というものも多く存在し、大手といわれる企業も数社あります。しっかりとした食事を提供する時には多くのノウハウを持った大手企業が好ましいですし、カフェだけの場合にはカフェチェーン店等も選択肢の中に入ってきますので、委託するサイドの意向も踏まえて候補会社を挙げていくことになります。そこから、各種諸条件書をいれたRFP(Request for Proposal:各種運営提案に対する各種条件書依頼書)を作成・発行⇒説明会⇒提案書提出⇒精査・評価していくということになります。最終選考に至るには、提案書の提出の他に実際にプレゼンを行ってもらう、これまで運営してきている施設見学及び、試食会等多くのことをすることになりますが、各項目について評価表を作成総合的な評価を作り上げて、オーナーサイドが最終的に委託する企業を決定するサポートを行います。これが我々の業務詳細になります。

では、設計業務について戻りますが、運営会社の設定後に設計を行っていては全体工程(全体の工事期間)に合致せず、厨房エリアだけ工事が間に合わなくなってしまいます。このことを防ぐことと、運営会社は永続的ではない・・・といった考えに基づいてオフィスエリア同様のスケジュールで設計を進めることになります。具体的な設計手順としては、社員食堂・社内カフェを利用するであろう人数(専門用語では喫食者といいます)を計算し、まずは規模・コンセプトを創りあげていきます。そして、それらについて基本設計を行い、設備要件が合致するか検証することになります。特に、既存ビルに移転する場合等には厨房施設を構築するということは想定されていないことがほとんどあるため、問題となるのは電気容量(高層ビルが多いため、ほとんどは電気限定)給排気容量・排水計画(防水計画)です。特に給排気容量によって加熱機器の設置できる規模が制限を受けることになるため、大きなポイントといえます。また、オフィスビルのため階高にも制限があるため、給排気ダクトにより天井が下がり、排水設備により床は上がることによって厨房内の天井高さが確保できるかということも常に問題となるところです。

運営会社は永続的ではないということを述べましたが、前述のプロセスにより初回の運営会社が決まったとしても、実際の運営状況が芳しくないということであれば、契約期間満了後に運営会社のチェンジが行われることも多いということです。契約期間は1〜2年程度が多くなりますが、契約満了が近づいたときには初回同様に各社プレゼンによる選定が行われることも多々あります。これらも踏まえ、我々はマルチベンダー対応の厨房を計画する必要があります。お分かりかと思いますが、マルチベンダーとは様々な運営会社ということを意味します。

※当然ながら、社員食堂・社内カフェのコンセプト自体が変わってしまうと厨房計画も見直す必要はあります

では、厨房施設(建築・設備)厨房機器等は誰が資金を提供するのか(誰の資産になるのか)


それは、運営を依頼する企業(オーナーサイド)となります。前述通り、社員食堂・社内カフェについては運営会社が変わる場合も多々ある訳ですので、厨房機器を持ち帰られて運営ができなくなってしまっては困ります。そうならないように・とでもいうのでしょうか、厨房機器はオーナーサイドが購入することになります。詳細は今後述べることにしますが、鍋・調理器具等の備品関係は運営会社が購入・持ち込むこともある等、様々な費用負担区分を決めることになり、これらも我々がサポートすることになります。

本日はこのあたりにしておきましょう