6.板金製品

共通事項

ステンレス板金製品に共通でいえることはSUS-304(高級品でより錆びにくい/磁石が付かない)、SUS-430(304よりも安価、鉄に近く/磁石が付く、手入れを怠ると少し錆びやすいといえるが、やわらかい性質のため熱機器等に採用及び、板金製品でも日本市場では一般的に使われている)、どちらの素材を使用しているかを確認する必要がある

コストを無視すればできるだけSUS-304としたいところであるが、現実的には難しい場合が多く、使い分けることでバランスをとることが可能である

SUS-304を使用するべき箇所は食品が触れる天板、シンク槽等の水周り、床に接する脚部アジャスト、その他台下戸棚であればボディ、扉、中棚はSUS-430という使い分けがベストミックスといえる

ただ、一般的な飲食店等では全部SUS-430という仕様も多いが(コスト問題で、厨房機器メーカーの多くがSUS-430を使用していることもあり)、清掃・手入をしっかりとすれば清潔に、錆びることもなく維持することは可能であるといえる

タニコー社製品
タニコー社製品

6-1.作業台・台下戸棚等

☆製品概要

ご存知作業をするテーブルであり、下部がオープンになっているか扉付となっているかは用途によって使い分ける

作業をするといっても、重たい物を置くのか、軽い作業しかしないのかで作業天板の厚みも考慮する必要がある

一般的な標準品としてはt1.0(1.0mmという意味)といえるが、少しグレードを上げるとt1.2、さらに丈夫にしたい場合にはt1.5、丈夫かつ長尺製品についてはt2.0ということで使い分けをする

ハードに、長期にわたって使用するホテル等ではt1.5以上を推奨

下部オープンタイプは主に下処理エリア等に配置されるテーブルであり、下部スノコに加え中棚を設けることも多い

スノコの高さについては清掃性を考慮すると厨房床面から最低でも150mm離すべきであり、保健所の指導が厳しいところでは水はねを防止するために棚上面を床面から600mm以上としなくてはならない(もしくは扉をつければ問題ない)ところもある

また、スノコを最も衛生的かつ実用的な方法としては取外式のスノコとし、定期的に洗うことができる構造を推奨

その他、テーブル下部にダストボックスをおさめるようにする等の場合には、スノコではなく三方枠という前面フレームがない構造とすることも可能である

扉付については主に食器類を収納する場合に採用されることが多いが、上記のような場合には下処理エリアでも扉付とし、可動タイプの中棚を取り付けることが主流である

扉には開き扉(観音扉・片扉)、引き戸が主流であり、特に引き戸では清掃性から扉を上吊タイプとし下部レールがないような構造とするべきといえる

もしくは、下部にレールがあるものでもレールを取り外して清掃ができる構造ものを推奨

また、引き戸の場合には、扉をスライドさせることで反対側にいくわけであるが、事故が発生しないようにするためにも扉が反対側の側板まであたらず、指をはさまないだけの空間を確保する構造とすることも重要なポイントである

タニコー社製品
タニコー社製品

6-2.シンク類

☆製品概要

いわずと知れたシンクであり、1槽・2槽・3槽他、水切付等様々なバリエーションがある

下処理エリア等では食材用として2槽(水切が両サイドにつけば理想)、器具洗浄用として2槽(同じく水切がつくと良い)もしくは、3槽とする場合もある(器具洗浄機を設置する場合には1槽+水切でも問題ない

2槽という意味は洗浄⇒すすぎであり、3槽の場合には最後に消毒が加わる

保健所推進は厨房内に間口450×奥行360×深さ180mm以上/槽、2槽以上(最低限の場合)であるが、器具洗浄用のシンクであれば大きいサイズの器具がどんなものかをおよそ確認してシンク槽サイズを想定すべきといえる

作業台と同じく、下部オープンタイプと扉付がありセクション・設置状況に応じて選択することが可能である

また、壁際にシンクを設置する時に考慮するポイントとしては水栓カランの種類(水・湯別々か、シングルレバー混合栓か等)、取付方法・位置(バックガード縦面につけるか、上面につけるか等)であり、使い手の趣向を確認する必要がある

基本的には吐水口が高い場所にあるほうが好まれ(作業の邪魔にならない)、最近ではシングルレバーの混合栓(右に回すと水、左に回すと湯)を好まれることが多いといえる

その他、下処理エリア等では水をためることも多く、排水時に手を突っ込まないでもいいようなハンドルドレンコックという排水部材を付けることを推奨(これをつければ、シンク手前のハンドルを回すことで排水するもしくは、バルブを閉めて水をためるといったことが容易となる

シンコー社製品
シンコー社製品

6-3.上棚・パイプ棚・吊戸棚等

☆製品概要

狭い厨房の高さを少しでも活用するための棚類である

タイプとしてはオープンである単なる上棚(フラットな棚板)、パイプで構成することで水切りを良くするパイプ棚、扉付の箱状の吊戸棚となり、上棚・パイプ棚は壁にビス・アンカー固定、小さいサイズで軽い物しか収納しない場合の吊戸棚も壁にビス・アンカー固定、大型で食器等の重量物を収納する場合には天井から吊ボルトを下して吊り、壁面にぶれ止めとしてビス固定するといった方法が一般的である

この時に注意が必要なこととしては、壁面にきっちりと補強がはいっていないとしっかりと固定できず棚が落下する恐れもあるため、内装・建築担当者と厨房機器設置担当で事前に打ち合わせをしっかりとすることである

壁面の強度がなく、壁工程が難しい場合には脚部付の上棚等として作業台等の天板面に固定する等の方法もある

上棚・パイプ棚についてはシンク類等の上部に取り付けることが多く、2段として下段下部にレードル・はさみ等をひっかけるフック類を取り付けることも多い

また、吊戸棚下部に上棚を取付、作業者が良く使う器具・調味料はオープンの上棚に配置するといったことも多い他、吊戸棚・上棚に棚下照明を取付、作業面の照度をしっかりと確保する場合もある

その他、上記台下戸棚同様に吊戸棚で引き戸タイプの場合には、清掃性から扉を上吊タイプとし下部レールがないような構造とするべきといえる

シンコー社製品
シンコー社製品

6-4.戸棚・パンラック等

☆製品概要

写真のように扉付の収納庫を戸棚、オープンタイプをパンラック(フライパンや、鍋・器具類を保管するためこのような名称)と呼ぶ

戸棚で引き戸タイプの場合、基本的には上記台下戸棚・吊戸棚と同様に清掃性から扉を上吊タイプとして下部レールがないような構造且つ、脚部高さは150mm以上は確保すべきといえる

また、食器収納・乾物類収納等で使用されることも多いため視認性を良くするためにガラス扉使用とすることもある

その他、管理が必要な箇所に設置(例えば供用廊下等)する場合等では、鍵付とすることも可能である

パンラックについては、いわゆるシェルフ(3-1)とほぼ同様であるが、脚部にスリットがはいっておらず、棚板を位置決めしてからイモビス等で固定するという、あまり合理的でない製品といえるため近年ではあまり採用されていないと考えられる

ただ、ステンレス板金製作品であるため、自由自在に寸法調整が可能である点がシェルフにはない点といえる