17.製菓・製パン機器

☆製品概要
小麦粉等を低速・低負荷(極力摩擦熱を抑えながら)で製粉する機器が石臼(電動)であり、挽き立ての香りや風味を生かすだけでなく、店舗においては見える場所に設置することでディスプレイ効果も大きい
粉ふるい機は名称通り、小麦粉・砂糖・塩等を自動的にふるいにかける機器であり、より細かな粉体にすることで生地類の仕上がりを向上させるものである
また、粉ふるい時に粉立ち(粉が舞う)が少なくなるように各社工夫がなされている

☆製品概要
ベーカリー・パティスリーでは欠かせない機器であり、卓上小型タイプから縦型・首振り・スパイラル大型タイプ等、様々な製品群から選択することができる
店舗規模・オーブンキャパシティより一概には言えないが、ベーカリー店舗では粉・生地の粘度に対応できる製品として60L程度の縦型ミキサーがメジャーな製品といえる
パティスリーにおいては仕込量・回転数等から30L程度の縦型ミキサーが主流といえる
各店舗に応じて、メインのミキサーに加えてサブの卓上タイプ、大容量対応・よりパワーを要する生地用としてスパイラルタイプを導入する等千差万別であるが、ピザ生地を練る場合にはハイパワーを要するため、スパイラルミキサーの導入が必須となる
昨今では、異物混入防止・より高い衛生基準を満たすために、ボウルだけでなくボディもステンレスタイプとなっている仕様が増加しつつある

☆製品概要
ミキシング時には生地摩擦熱により温度が上昇するだけでなく、季節に応じても室温・水温(水道水)が変化するのが自然の摂理である
この現象に対して事前登録・設定により季節に応じた最適温度及び、ミキシング量に応じた最適水量を抽出するのが同機器である
スペース・コスト問題から決してメジャーな製品とはいえないが、チェーン店においては均一化を図るために導入されている
※個店では生地温度上昇を考慮し、氷を利用して冷水を投入することが多い

☆製品概要
「伝統的なパンを作る」といった原点回帰が時流となる中、これまで難しかった自然酵母種(ルヴァン・リキッド)を誰でも簡単に自動生成させることを実現したのが天然酵母発酵機である
同機器は温度(発酵時にはヒーター作動、発酵後は冷却)・時間(保温時間・撹拌事間)・撹拌(サイクル等)を自動制御することで酵母にとって最適な環境を作り出し、同機器を導入することによりルヴァン種を使ったハード系・食パン・菓子パン等、あらゆる生地に活用することが可能となります

☆製品概要
手で行う分割・丸め作業を自動化する機器であり、ある程度の規模のベーカリー店舗では人件費を削減可能とする大きな武器となる
タイプとしては菓子パン等で利用されるラウンドタイプ、食パン等で利用されるスクエアタイプがあり、各社いかに生地を傷めにくくするかを工夫している
ラウンドタイプについては30〜100g程度の生地に分割できる各種プレートを選択可能で、マニュアル・半自動・全自動タイプがある
特に、全自動タイプについてはコスト問題があるものの、分割から丸めまで約10秒程度で完了することができる等、生産量が多い場合には強い味方となる

☆製品概要
分割・計量した生地を投入することでガス抜き・のし・成形を自動的に行う機器である(特にミニモルダー)
食パン・菓子パンが多い日本で開発されたのがミニモルダーであり、バゲット等のハード系ブレッド生地を成形する機器としてはヨーロッパ製のバゲットモルダーとなる
ミニモルダーについては1段ローラー・2段ローラーから選択可能であり、用途に応じて導入したい
バゲットモルダーについては各社生地に負担をかけない工夫がなされており、ハード系を多く提供する店舗では欠かせない機器といえる

☆製品概要
クロワッサン・デニッシュ・パイ生地のシーティング・折り込み及び、菓子パン生地の「のし」も行うことができる機器である
各社生地に負担を欠けないように工夫がなされており、衛生面においても各社特徴を備えている
店舗規模・スペースに応じて卓上タイプから大型スタンドタイプまで選択可能である他、コンベア幅・ローラー間隔が機種選定では大きなポイントといえる
特にローラー間隔については広い方が1回の仕込量を多くできるため、作業時間の短縮につながる
同機器設置については、しっかりと空調がなされたパイルーム内が理想であり、生地を寝かせるドーフリーザーを隣接することがポイントである

☆製品概要
生地玉・クロワッサン・デニッシュ・パイ生地等を冷凍保存するための機器がドゥフリーザーである
ドゥフリーザーは発酵熱を持つ生地を保存する(発酵を抑える)ため、通常の冷凍庫よりもパワーアップした専用機となっている他、イースト菌等からの影響も考えられて設計されている
庫内は欧州天板(400×600mm)もしくは、冷凍天板(435×645mm)サイズで各社設計されているものが多く、用途に応じて選択可能である
リターダーについては、冷蔵温度帯における解凍機と位置づけられる機器であり、ドゥフリーザーとセットで導入されるケースが多い
また、ドゥフリーザーに解凍機能を合わせ持った機種もある

☆製品概要
スクラッチ生地・冷凍生地等を設定時間通りに発酵させることができる優れた機器がドゥコンディショナーである
※冷凍⇒冷蔵解凍⇒発酵のステップアップ機能搭載
以前、ベーカリーショップでは朝のパンを販売するため深夜からの作業が当たり前であったが、労働環境改善の目的で同機器が開発された
この機器導入により、出勤時には朝一番に焼成する生地の発酵が終わっている状況となり、ベーカリー店舗における負担が大きく軽減され、昨今では欠かせない機器となっている
さらには、機種によるもののドゥコンディショナーとオーブンを連動させることも可能であり、オーブンの立ち上がり時間と発酵完了時間を合わせることも可能である

☆製品概要
ファンにより強制的に庫内温度を均一化するオーブンであり、様々なパン種・パティスリーアイテムに対応する
特に、完成品冷凍生地の進歩により誰もが簡単に焼成できるということで、一般レストラン等にも導入が進んだ
一般調理のコンベクションオーブンと異なる点としては、、冷凍生地だけでなくスクラッチ生地についてもステップアップ登録が可能である等、よりきめ細かい設定により各種最適の焼成結果を生み出すことができることであり、風量調整ができる機種も多く、スチーム発生機能も搭載している
また、調理用のスチームコンベクションオーブンについても、ベーカリー焼成提案を積極的に行うようになっており、中にはホイロ機能を兼ね備えた機種もある

☆製品概要
庫内地熱・輻射熱(上下熱源温度設定可能)により各種生地を焼成するオーブンであり、各社炉床素材や庫内素材に工夫をこらし、遠赤外線効果をいかに出すかを日々研究している
小型から大型までラインナップが豊富であり、各店舗の規模・スペースに差異はあるものの、天板4枚差・3段タイプというのが最も多く導入されているメイン機種といえる
電気式が主流といえるが、ガス式も数少ないながらラインナップがあり、ガス特有の焼き上がりを実現している
日本の菓子パンには日本製・ハード系にはヨーロッパ製のオーブンが適しているといったこともいわれるが、ベーカリー・パティスリー店舗の中心的存在となるオーブン購入の際にはじっくりと機種選定(テスト焼成)すべきといえる
また、魅せるオーブンということで各種装飾を施すことが可能な機種も多い

17-12.コンベクションオーブン+デッキオーブン(欧州天板サイズ)
☆製品概要
コンベクションオーブンとデッキオーブンを段積可能な設計がなされている製品であり、小型店舗ながら両方の機能が必要という場合に重宝される
全てコンベクションオーブンで出来ればコンベクションオーブンを段積すればいいのであるが、風を嫌う生地における焼成にはデッキオーブンが欠かせない(数としては多くはないが)ということであれば、当該機器が最適である
さらには、ホイロ(発酵機)も最下段に設置できる製品(オールインパッケージ)もあり、小型店舗やレストランパティスリーエリアでスペース効率を上げることも可能である

☆製品概要
欧州天板(400×600mm)よりも小さい天板サイズで統一されたホイロ・ドゥコンディショナー・コンベクションオーブン・デッキオーブンを段積可能な設計がなされている製品であり、完成品冷凍生地とのコンビネーションによる最小店舗化をパッケージとして提案がなされているケースが多い
※ドゥコンディショナー・オーブンは給水タンク方式等の工夫有
特にカフェ・社員食堂・ベーカリーショップを持たないスーパー等、最低限のスペースで焼き立てパンを提供したいといったニーズに応えるシステムといえる

☆製品概要
ハード系の直焼きパンを焼成するために最適な奥行が深いデッキオーブンであり、まさにベーカリー職人の憧れといえる
一般的なデッキオーブンより奥行が深い(倍程度等)ことから蓄熱性に優れる点が長所(最大の武器)といえる反面、同オーブンを設置するためには非常に大きなスペースが必要(重量も)となることが短所といえる
オーブンを設置するスペースだけでなく、その奥行と同等程度のスペースがオーブン前に必要となり、作業性を考えるとエレベーター等のオプションも設置する必要がある
ただ、名だたるベーカリーショップでは狭い都心スペースでも必ず導入していることを考えると、品質の差別化を行うためには必須アイテムといえる

☆製品概要
ベーカリーからパティスリーまで幅広く対応可能なバッチ式大量生産向けのオーブンである
同オーブンは熱風強制対流方式にてラックごと投入・庫内でラックが回転することで焼きむらを防ぐ構造となっており、カートインホイロ・ドゥコンディショナーとの組み合わせにて全てラックによる移動となり、大幅な効率アップを図ることができる
ホテルベーカリーセクション・大型スーパー・ファクトリー等、同一生地を同時に、大量に焼成したい場合には最適な機種といえる

☆製品概要
大きな焼成室内を観覧車のように天板が1回転する(投入してから1周して戻ってくる)ことで焼成が完了する仕組のオーブンであり、主にファクトリー等で活躍する
通常のデッキオーブンのようなバッチ式とは異なり、連続して焼成できるため大幅に生産量を増やすことが可能となる
その他、キャタピラー方式の炉床を搭載する機種もある等、各社工夫をこらしている

☆製品概要
完全に現地組み立て式の大型オーブンであり、大きな焼成室内を炉床を回転させながら各種パンを焼成していくため、慣れが必要といえる
同オーブンの最大の武器(機能として)は蓄熱性であり、火通りが良いパンを焼成可能となる
熱源としてはガスもしくは、薪から選択可能であり、併用することも可能なタイプが多い
同オーブンを導入していくためには、建築構造物同様に計画していく必要があり、床重量や排気系統等をしっかりと検討・計画する必要がある他、いかにお客様にアピールすることができるかが勝負となる

☆製品概要
その名の通り、バームクーヘンを焼成するためのオーブンである
他のオーブンとは異なり、バームクーヘンしか焼成できないものであり、逆に言うなればバームクーヘンを焼成するために必須となる機器である
タイプとしては1本のみを焼成可能なタイプと、複数(直径に応じて6〜12本等)焼成可能なものに分類され、多くが複数のガスバーナーを背部に配置し、回転軸に生地を塗りながら時間をかけて焼いていく構造となっている(中には電気式もある)
昨今のバームクーヘンブームにより、いかに魅せるかがポイントともなっている

☆製品概要
ワッフル・タルト・パンケーキ等、様々な形状の商品を焼成可能な機器群である
液体に近い生地を流して焼成するタイプや、ある程度成形した生地を焼成するタイプ等、様々な方法・工夫で新製品を生み出すべく、日々研究が進められている
また、自家製アイスクリームコーンの焼成についても同分類に属する

17-20.パンスライサー(食パン・バゲットスライサー・生パン粉機)
☆製品概要
食パン及び、バゲット等ハード系のパンをスライスするための機器であり、食パン文化が根強い日本のベーカリーショップでは柔らかいパンに最適且つ、スライス面が美しい丸刃スタイル(1枚切り)によるスライサーを導入することが多い
一方、より多くの食パン等をスライスする大型ショップ・ホテル等では波刃スタイル(1本切り)を採用したスライサーが活躍する
ハード系についても波刃スタイルが多く(中には丸刃スタイルも有)、ハード系を主体に販売しているベーカリーショップでは重宝される
その他、ロールパン・バンズ・サンドイッチ等に対応したスライサー及び、スライサーを応用した自家製パン粉生成機も存在する

☆製品概要
ドーナツをフライするために開発された浅型のフライヤーである
フライヤー下部にホイロ(発酵機)が一体化されたタイプも多く、省スペース化が図られている他、サイドには油切りラックをセットとして設置することができる構造となっており、フライ後のドーナツを効率良く一時置きできるように設計されている
また、ラック後部にはろ過機用スペースが確保されている機種もある等、工夫がなされている
その他、ドーナツカッターを取り付けることができる製品や、演出効果も含めてコンベア型で自動的にドーナツフライを行うタイプもある

☆製品概要
ドーナツフライヤーとセットで使うことが多い製品群であり、ドーナツカッター・プランジャー・シュガーリングトレー等が挙げられる
ドーナツ生地を投入するホッパー+各種プランジャー(生地を押し出す棒)等によって構成されるのがドーナツカッターであり、ドーナツフライヤー取り付けられる構造となっている
同プランジャータイプを交換することにより、リングタイプ・フレンチクルーラー等の形状を作り出すことができる
その他、フライしたドーナツに砂糖をつけるシュガーリングトレーやシュガーコーティング(グレーズ・ドーナツ)に使用されるグレーズ・ウォーマー等、専用機器が販売されている

☆製品概要
生クリーム泡立て(ホイッピング)を瞬時にして行う機器であり、洋菓子・デザート・ドリンクトッピング・各種料理等に活躍する
適正温度で生クリームを保温し、泡立て時の温度上昇を抑えるべく各社工夫がなされている
また、低脂肪から高脂肪まで対応、オーバーラン(空気含有率)を調整できる機構により固さ調整を可能とする等、各種機能を備えている
乳製品については特に厳しい衛生面が求められるため、分解清掃が可能である等の構造となっている

17-24.製菓用ショックフリーザー・ブラストチラー・急速凍結庫
☆製品概要
糖度が高い洋菓子については急速冷凍することで、風味を大きく損なうことなく保存することが可能であり、日々の販売状況に応じて生産調整をしていくためにはパティスリーショップには欠かせない製品といえる
ショックフリーザー・急速凍結庫は常温から冷蔵温度帯製品の投入を前提としており、ショックフリーザーは急速凍結庫よりも強力パワーを誇る
また、急速冷凍庫と冷凍保存庫がセットになった製品がメジャーであり、それらをひとつの冷凍機(コンプレッサー)でいかに制御するかが各社のノウハウである
ブラストチラーは焼成直後の食材でも投入することができる(熱々の食材を投入することを前提)製品であり、蒸気といっしょに湯気となって出て行く旨味成分を封じ込めることが出来る
ショックフリーザーの最大の悩みは、食材からの熱気が蒸発⇒冷却部に霜として蓄積⇒冷却能力が落ちるといったことであり、最近では庫内冷却部の霜付等がしにくい設計がなされているブラストチラーを好まれる方も多い

☆製品概要
洋菓子店・デパ地下のメインといえばパティスリーショーケース(洋菓子ケース)といえるほど花形の存在
ショーケースによって販売数が大きく異なるため、まさに販売の武器となる製品といえる
各社ある程度の規格品はラインナップしているが、店舗の顔となることから特注仕様となることも多い
第一印象が大きく異なる要因としてはガラスの仕様と照明といえる
洋菓子店・デパ地下で見られるケースのガラスの多くは高透過ガラス(ミュージアムガラス)といわれるもので、写り込みが少なく透過率が高いためにショートケーキの白・赤がはっきりと見える
また、最近では熱を持ちにくいLED照明も多くなってきているが、従来からの蛍光灯タイプにしても洋菓子用としての最適の照度・彩度を各社研究、採用している
※ただ、店舗全体での照明計画におけるバランスも必要となるため、時には照明デザイナーとの調整も必要である
その他、冷蔵機器のためにコンプレッサーが必要となるが、デパ地下のように水冷式とし排熱がほとんどないようにするか、空冷式とする場合には給排気用としてガラリを設けることが必要となるため意匠面との相談が必須となる

☆製品概要
製菓製パン店舗・ファクトリーに欠かせない備品である
天板については、
○8取天板(日本独自のベーカリートレー)
間口340×奥行430mm/間口350×奥行450mm
○6取天板(日本独自のベーカリートレー)
間口380×奥行530mm
○欧州天板(ヨーロッパ天板:ベーカリー・ペストリーの標準)
間口400×奥行600mm
が主流とはいえるが、その他種類も存在する
食型については日本を代表する食パン焼成には欠かせいない型を代表に、シフォンケーキ・各種タルト等の様々な型があり、シリコン型等については各洋菓子店の個性を形作るものとして非常に重要な役割を果たす存在といえる

☆製品概要
天板同様、製菓製パン店舗・ファクトリーに欠かせない備品である
天板ラックについては天板が前後のみ(場合によっては前方のみ)抜き差し可能なシングルラックタイプの他、左右前方から抜き差しできるトンボラックが代表的といえる
また、トンボラックの中でも片トンボラック・両トンボラック(片トンボの倍を収容)があり、規模・スペースに応じて選択したい
その他、規模に応じて大型ラックを製造することも各社対応している

☆製品概要
規模が大きい店舗及び、ファクトリーでは必要となってくる機器であり、焼成時に天板へ焦げ付くバター等を効率良く除去する
機器上部もしくは、横から天板を投入するタイプに分かれるが、回転ブラシを搭載する機器が主流であり、表裏共にクリーニングすると共に天板油を塗布する機種もある
また、除去された焦げ屑等は容易に取り出すことができる構造となっており、機器内部も衛生的に保つことができるように設計されている

☆製品概要
一般的には食器洗浄機がメジャーといえるが、厨房内での調理器具・備品等を洗浄するために使用される洗浄機である
厨房内における調理器具・備品類の洗浄については手洗いということも多いのが実情であるが、同洗浄機を導入することで劇的に作業効率を上げることができ、無駄な人件費の抑制にもつながる他、洗浄仕上がりについても全く異なる(高温で殺菌もされ、乾燥も速い)ため、導入メリットは非常に大きいといえる
タイプとしてはアンダーカウンタータイプ、ドア型(背が低い・高い・幅が狭い・広い)がある
アンダーカウンターでは別途スタンドを付けることで、作業効率を上げることも多い他、洗浄用途(器具類のサイズ)に応じて、最適な機種を選択するべきといえる
熱源としては電気が主流といえるが、大型タイプでは蒸気という選択肢もある

☆製品概要
各種オーブン等の導入機器の最大使用電力によってブレーカー容量が決まり、その容量によって電気料金の基本料金が決定しますが、同時使用率(機器の稼働率)が100%となることはほとんどなく、仮にあった場合でも長時間にはならないといった実情を考慮して開発されたのが電子ブレーカーです
※通常のブレーカーは感熱式に対して、電子ブレーカーは電子式
したがって、最大使用電力よりも低い容量(アンペア)の電子ブレーカーを取り付けても、一時的にしか同ブレーカー容量をオーバーしないため、電子ブレーカーが落ちる事はなく、その低いブレーカー容量まで基本料金を下げることができるといった仕組となっている
ただし、この電子ブレーカーを採用できる条件としては最大使用電力が50kw未満(低圧契約)となっており、それを超える場合には高圧契約に位置づけられてキュービクル(高圧受電設備)を設置する必要がでてくる
このキュービクル設置には数百万円かかってしまうことから、50kwを大きく超えていない場合には電子ブレーカー採用にてキュービクル設置を避けることができる可能性もある等、新店計画において検討したい製品といえる
実際には電子ブレーカー自体がまだまだ新しい製品であることからも、既存店における基本料金軽減のために採用されるケースが多い
この場合、現状の電気使用状態(ピーク時の電気使用量や時間)を計測し、各種最適な提案がなされる流れとなっており、2〜3年程度で電子ブレーカーの投資(電子ブレーカー自体は通常のブレーカーよりも高額であり、数十万かかる)を月々の基本料金軽減によって回収できるケースが一般的となっている